日経225オプション 松井証券のロスカット口座問題: 誤解を生んだ宣伝文書
約1年前の、昨年1月21日、松井証券からニュースリリースが出されました。
これが事件の始まりでした。
【先物・オプション取引】ロスカット口座の導入および取引機能の改善について~ロスカット口座開設者の建玉上限が日経225先物:500枚、日経225mini:5,000枚へ拡大~
このリリースの中身をチェックしてみましょう。
『次期デリバティブ売買システム「J-GATE」の稼働に合わせ、大手ネット証券で初めて
先物・オプション取引において、ロスカット口座を導入』・・・・・①
『損失を一定の範囲内に抑えることが可能』・・・・・②
『ロスカット口座の導入に合わせて、「大口で取引したい」というお客様のご要望にお応えし、
先物・オプション取引における建玉の上限を拡大』・・・・・③
ラージ先物 100枚から500枚
ミニ先物 1000枚から5000枚
225オプション売り建て 200枚から300枚
225オプション買い建て 1000枚から10000枚
(左が通常口座の場合、右がロスカット口座を開設した場合)
『今後も取引時間の延長が見込まれることから、先物・オプション取引における
24時間体制でのリスク管理の重要性がさらに増していく』・・・・・④
『「J-GATE」では、これまでの先物・オプション取引における注文方式と異なり
多様な注文形式を組み合わせる必要がありますが、松井証券では、個人投資家の
利便性を考慮し、独自のシステム開発により、個人投資家が使いやすい注文方式で
どのように私は私の原価を把握するのですか?
取引できる環境をご提供するとともに、取引機能を大幅に強化いたします。』・・・・・⑤
【先物・オプション取引】「J-GATE」対応について
それでは、①から⑤について、サービス加入前に私が受けた印象などを書いてみます。
①は、他社が参入しない中、独特の商品特性を持つオプションに対応したサービスを
いち早く投入し他社との差別化を図ろうとしているのかと、評価できます(苦笑)。
オプションへの対応というところがカギで、参加者の常識として、板の薄さや価格特性などには
商品知識のあるプロが提供するサービスなのだから当然対応済みであると誰もが思います。
②は前回書きました、この口座の目的です。存在理由そのものです。
③が魅力的でした。正直に申しますと、これに釣られた面が確かにあります。
まず、ロスカット口座に加入すれば、今までより大きなポジションを建ててもリスクは
小さいのだ、性能はいいのだと思わせる効果があります。
加えて、他社を含めて複数口座を管理するのは大変で、枠を増やしてくれると他社口座を
少しでも減らせることにメリットを感じたのです。
大口参加者ほど魅力は感じたはずです(実際、1件当たりの被害額も大きくなっています)。
④はその通りだと思いました。なかなかいいこと言ってるなと。
寝る前に、相場によってはロスカットラインを上げてタイトに管理する使い方も
ナイアガラフォールズのフーパー不動産
考えられます。夜ぐっすり眠れるのです(もちろん、ちゃんと機能すればです)。
CME先物ではすでに松井の似たようなシステムを使っていて、実績もあります。
①と⑤によって、「J-GATE」への対応もしっかりできていると当然考えるところです。
ユーザーインターフェイスの部分だけ取り繕って、肝心な値付け方式の制度変更部分に
全く対応できていないとは夢にも思いませんでした。
大証の業者向け説明会には出席しなかったのでしょうか。
独自のシステム開発ですよ。機能大幅強化ですよ。騙された~。
J-GATEのスタートに日程を合わせて投入されることで、さらに当然対応済みと確信させる
効果もありました。
松井との13年間の取引による信頼感が結果的にマイナスに働いたと言えます。
私は、通常、証拠金の使用率はヒトケタで、多くても2~30%程度だったので、
自分でロスカットラインをマニュアル設定もしないうちにロスカットされる可能性など
全く考えていませんでした。
また、同時に、「ロスカット口座スタートキャンペーン」も2月14日から始まると宣伝され、
『先物・オプション取引のリスク管理機能を大幅に強化する「ロスカット口座」を導入します。』
『この機会にぜひ「ロスカット口座」でリスクをコントロールした先物・オプション取引をお試しください』
インバウンドコールセンターサービスは何ですか
など、手数料キャッシュバックとともに、リスク管理機能の大幅な強化が再三謳われています。
大々的に報道され、気合いを感じさせるものでした。
「お試しください」ですから、長い付き合いからして試してみようと考えるのはごく自然なことだと
思われます。
さて、これら広報文書で様々な言葉を使って宣伝されていたこのリスク管理機能は、
実際には全く機能しなかったことは明らかです。
むしろサービス加入によってリスクは逆に極大まで増加していたのです。
顧客は万が一の不測の事態に備えて、損失を小さく抑えるために加入するのです。
結果はどうなりましたか?
原資産の動きもない時に、突然不測の事態をシステム自ら作り出し、
しかも自分達では出そうとしても決して出すことができない芸術的な大損害を、
顧客の口座に勝手に作り出してしまいました。
業者として何か重要なことを見落としていたのではありませんか?
実際は手抜きで穴だらけの使い物にならないサービスだったにもかかわらず、
「なかなか使えそうではないか」
という誤解を顧客に与えるのに十分なリリースだったと言えるでしょう。
このプレリリースは誇大広告ではないでしょうか?
これくらいでは、刑事罰には問われないのですか?
出てきたシステムの出来の悪さには呆れるばかりです。
次回からは具体的に、違法な行為の数々について書いていきます。
opuopu
応援よろしくお願いします。
0 コメント:
コメントを投稿