以下の情報は、出願公開日時点(2011年01月06日)のものです。
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0001
以下に提供されるのは、例えば触媒コンバータのような排ガス処理用の汚染防止装置に汚染防止要素を実装するためのマウンティングマットである。具体的には、熱処理されたガラス繊維を含むマウンティングマット、並びにそのようなマット、及びそのようなマットを含有する防止装置を作製する方法が提供される。
0002
汚染防止装置は、大気汚染を抑制するために自動車に使用されている。そのようなデバイスは、公害防止要素を含む。汚染防止装置の代表例としては、触媒コンバータ及びディーゼルパティキュレートフィルター又はトラップが挙げられる。触媒コンバータは、通常、触媒を支持する壁を有するセラミックモノリシック構造を含有する。触媒は、通常、大気汚染を抑制するために、エンジン排出ガス中の一酸化炭素及び炭化水素を酸化させ、窒素酸化物を還元する。モノリシック構造は、また、金属製の場合もある。ディーゼルパティキュレートフィルター又はトラップは、通常、ウォールフロータイプフィルターを含み、これは、例えば多孔質セラミック材料から作られるハニカム状モノリシック構造であることが多い。これらのフィル� ��は、通常、エンジン排ガスからの煤煙及び他の排ガス微粒子を取り除く。Tこれらの装置はそれぞれ、汚染防止要素を保持するハウジング(通常、ステンレススチールのような金属製)を有する。
0003
モノリシック汚染防止要素は、しばしば、その壁厚及び1平方インチ当たりの隙間すなわちセルの数(cpsi)によって表される。1970年代早期に一般的であったのは、304マイクロメータ(12ミル)の壁厚で47セル/cm2(300cpsi)のセル密度を有するセラミックモノリシック汚染防止要素である(「300/12モノリス」)。
0004
排ガス規制法が厳しくなるにつれて、モノリスの立体表面積を増加し、熱容量を減少し、圧力降下を減少するために、壁厚が低減された。900/2モノリスが標準になった。セラミックモノリシック構造は薄い壁を有するので脆く、振動又は衝撃による損傷を受けやすく、破壊されやすい。損傷を起こす力は、汚染防止装置の組立て中の手荒な取り扱い若しくは落下、エンジンの振動、あるいは粗い道路を走行することによって生じ得る。セラミックモノリスは、また、ロードスプレーとの接触によるような高い熱衝撃による損傷にも曝される。
0005
セラミックモノリスは、概して、それらを含有する金属製ハウジングより一桁低い熱膨張係数を有する。例えば、金属製ハウジングの周囲の壁とモノリスとの間の間隙は、約4mmでスタートし、エンジンが触媒コンバータモノリシック要素を25℃から最大動作温度である約900℃まで加熱するにつれて約0.33mm増加し得る。それと同時に、金属製ハウジングの温度は約25℃から約530℃に上昇する。金属製ハウジングがより小さい温度変化を経るにもかかわらず、金属製ハウジングの熱膨張係数がより高いことによって、ハウジングはモノリシック要素の膨張よりも速く、より大きい周辺サイズに膨張する。そのような熱サイクルは、通常、車両の寿命期間中に数百回又は数千回生じる。
0006
道路衝撃及び振動によるセラミックモノリスへの損傷を避け、熱膨張の差を補い、モノリスと金属製ハウジングとの間を排ガスが通過する(すなわち触媒をバイパスする)のを防止するために、セラミックモノリスと金属ハウジングとの間にマウンティングマットが配置される。ハウジング内にモノリスを置くプロセスは、また、キャニングとも呼ばれ、モノリスの周囲をマット材料シートで包む工程と、この包まれたモノリスをハウジング内に挿入する工程と、ハウジングを圧して閉じる工程と、ハウジングの横エッジに沿ってフランジを溶接する工程と、を含む。
0007
典型的に、マウンティングマット材料は、無機繊維、所望により膨張材料、有機結合剤、充填剤、及び他の補助剤を含む。ハウジングにモノリスを実装するために使用される既知のマット材料は、例えば、米国特許第3,916,057号(ハッチ(Hatch)ら)、同第4,305,992号、(ランジャー(Langer)ら)、同第4,385,135号(ランジャーら)、同第5,254,410号(ランジャーら)、同第5,242,871号(ハシモトら)、同第3,001,571号(ハッチ)、同第5,385,873号(マクネイル)、及び同第5,207,989号(マクネイル)、並びに1978年8月23日付けの英国公開特許第1,522,646号(ウッド)、並びに1983年1月26日付けの日本国公開特許昭58−� �3683号(出願特許平2−43786号明細書及び同昭56−112413号明細書)及び1981年7月10日付けの日本国公開特許昭56−85012号(昭54−168541号明細書)に記述されている。
0008
マウンティングマット材料は、長期間の使用にかけてのあらゆる動作温度範囲で非常に弾力的に保たれるべきである。弾力性とは、厚さの変化、すなわち圧縮と弛緩のサイクルの繰り返しを受けても、マットが実質的な保持力を維持する能力である。
0009
当該技術分野のマウンティングマットは、主に無機繊維(主にケイ酸アルミニウム繊維)を含有する。しかし、既成の繊維ガラス、特にSガラス、S2ガラス、Rガラス、又はEガラスは、高温での弾力性が乏しい。繊維ガラスは、比較的低量のアルミナ(10重量%より多く30重量%未満のAl2O3)、過半量のシリカ(50重量%より多く67重量%未満のSiO2)、及び少量の他の酸化物又は他の構成成分を含有する、非晶質のマグネシウムアルミナケイ酸塩繊維である。
0010
1999年9月16日付けの国際公開第99/46028号は、高温用途のためのマウンティングを調製するためのセラミック繊維の使用について説明している。高融点セラミック繊維は、酸化アルミニウムを高い含有量で有し、典型的に、約45〜60重量%の酸化アルミニウムと、約40〜55重量%のシリカを有する。
0011
2004年4月15日付の国際公開第2004/031544号は、これと反対のアプローチを説明している。国際公開第2004/031544号は、アルミナ含有量を増加する代わりに、増量されたシリカを有する繊維の使用について記述している。国際公開第2004/031544号に記述されている繊維、いわゆる溶脱繊維は、シリカ含有量を67重量%以上あるいは好ましくは90重量%以上に増すために処理されている。これらの材料は、また、比較的高価でもある。
0012
十分に弾力性があり、かつ圧縮可能で、かつモノリスと金属ハウジングとの間の間隙が広範な動作温度及び多数の熱サイクルにかけて変化することを許すマウンティングマットの必要は、なお存在する。したがって、良好な温度抵抗を有するが、マウンティングマットを含む汚染防止装置が曝される周囲温度及び動作温度で、なお機械強度を維持するマウンティングマットを提供する特定の必要は、なお存在する。加えて、このマウンティングマットを形成する際の主たる懸念の一つは、材料と性能属性の費用のバランスを取ることである。質の高いマウンティングシステムを、可能な最低限の費用で提供することが望ましい。
0013
そのようなマットを、熱処理されたガラス繊維を用いて作製できることが発見された。既成の入手可能なガラス繊維を、繊維のアルミニウム又はシリコン含有量を増やさずに使用できる。
0014
以下に、1つ以上の汚染防止要素を排ガス処理用汚染防止装置に実装するためのマットであって、そのガラス繊維の総重量に基づき10〜30重量%のAl2O3と、52〜65重量%のSiO2とを含有する熱処理されたガラス繊維を含むマットを提供する。
0015
また、触媒のための支持構造とこの支持構造を納めるケーシング、前記支持構造とケーシングとの間に配置された、上で定義した熱処理されたガラス繊維を含むマットを備えた汚染防止装置であって、繊維が、マットが支持構造とケーシングの間に配置される前に熱処理される、汚染防止装置である。
0016
更に、汚染防止装置に使用されるマウンティングマットを作製する方法が提供され、この方法は、
(i)上で定義したガラス繊維を、成形ワイヤの上に置かれる開かれた底を有する成形ボックスの入口を通して供給し、成形ワイヤの上に繊維のマットを形成する工程であり、この成形ボックスが、入口とハウジング底との間のハウジングに少なくとも一列に備えられた、繊維の凝集を解きほぐすための複数の繊維分離ローラーと、エンドレスベルトスクリーンと、を有する、工程と、
(ii)繊維分離ローラーの下及び成形ワイヤの上のエンドレスベルトの下位走行部上の繊維の凝集を捉える工程と、
(iii)捉えられた凝集がこのエンドレスベルトから解放され、ローラーに接触してローラーによって解きほぐされることができるように、繊維分離ローラーの上のこのエンドレスベルト上の捉えられた繊維の凝集を搬送する工程と、
(iv)繊維のマットを、成形ワイヤによって成形ボックスから出して移動する工程と、
(v)この繊維のマットを圧縮し、この繊維のマットをその圧縮された状態に拘束し、それによって触媒コンバータのハウジングに汚染防止要素を実装するために好適な望ましい厚さを有するマウンティングマットを得る工程と、を含む。
0017
また、汚染防止装置に使用されるマウンティングマットを作製する方法が提供され、この方法は、
(i)ガラス繊維の総重量に基づき、10〜30重量%のAl2O3と52〜65重量%のSiO2とを含むガラス繊維を、成形ワイヤの上に置かれた開かれた底を有する成形ボックスの入口を通して供給して、この成形ワイヤ上に繊維のマットを形成する工程であり、この成形ボックスが、この入口とハウジング底との間のハウジングに少なくとも一列に備えられた、繊維の凝集を解きほぐすための複数の繊維分離ローラーと、エンドレスベルトスクリーンと、を有する、工程と、
(ii)繊維分離ローラーの下及び成形ワイヤの上のエンドレスベルトの下位走行部上の繊維の凝集を捉える工程と、
(iii)捉えられた凝集がこのエンドレスベルトから解放され、ローラーによって解きほぐされることができるように、繊維分離ローラーの上のこのエンドレスベルト上の捉えられた繊維の凝集を搬送する工程と、
(iv)繊維のマットを、成形ワイヤによって成形ボックスから出して移動する工程と、
(v)この繊維のマットを圧縮し、この繊維のマットをその圧縮された状態に拘束し、それにより触媒コンバータのハウジングに汚染防止要素を実装するために好適な望ましい厚さを有するマウンティングマットを得る工程と、
(vi)この繊維のマットを熱処理に曝す工程と、を含む。
0018
成形ボックスの概略的透視図を図示。成形ボックスの概略的側面図を図示。図2に図示された成形ボックスの詳細な図。汚染防止装置の概略図を図示。
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0019
熱処理されたガラス繊維
本明細書に記載される熱処理されたガラス繊維は、ケイ酸アルミニウム繊維であり、好ましくはケイ酸マグネシウムアルミニウム繊維である。「ケイ酸(マグネシウム)アルミニウム繊維」という用語は、他の酸化物、特に他の金属酸化物の存在を排除せずに、シリコン、アルミニウム、(及びマグネシウム)の酸化物を含むガラス繊維を含む。
0020
熱処理されたガラス繊維、及び熱処理に好適なガラス繊維は、通常、10〜30重量%の酸化アルミニウムと、52〜65重量%の酸化ケイ素を含む。好ましくは、これらは、12〜27重量%の酸化アルミニウムを含む。これらの繊維は、好ましくは、1〜12重量%の酸化マグネシウムを更に含む。
0021
本明細書で使用される酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムの重量百分率は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、及び酸化マグネシウム(MgO)の理論上の量に基づくが、ガラスに存在する酸化物は、異なる化学組成を実際に有する場合がある。
0022
これらの繊維は、追加的に、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化カルシウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含む場合がある。
0023
本発明の一部の実施形態では、ガラス繊維は、約52〜58%のSiO2と、約13〜17%のAl2O3と、約5〜9%のB2O3と、約17〜21%のCaOと、約2〜4%のMgOと、約1%の他の酸化物とを含む場合がある(全ての百分率は重量百分率である)。
0024
本発明の他の実施形態では、ガラス繊維は、約63〜65%のSiO2と、23〜27%のAl2O3と、8〜12%のMgOとを含む場合がある。
0025
本発明の追加的な実施形態では、ガラス繊維は、約58〜62%のSiO2と、23〜27%のAl2O3と、7〜11%のCaOと、4〜8%のMgOとを含む場合がある。
0026
好ましいガラス繊維の具体的な例としては、熱処理されたEガラス、Sガラス及びS2ガラス、又はRガラスが挙げられる。
0027
Eガラス繊維は、通常、約55%のSiO2と、約15%のAl2O3と、約7%のB2O3と、約19%のCaOと、約3%のMgOと、約1%の他の酸化物とを有する。
0028
S及びS2ガラス繊維は、通常、約65%のSiO2と、25%のAl2O3と、10%のMgOとを有する。
0029
Rガラスは、通常、約60%のSiO2と、25%のAl2O3と、9%のCaOと、6%のMgOとを有する。
0030
Eガラス、Sガラス、S2ガラスは、例えば、アドバンスドグラスファイバーヤーンズ社(Advanced Glassfiber Yarns LLC)から入手可能であり、Rガラスは、サンゴバンベトロテックス社(Saint-Gobain Vetrotex)から入手可能である。
0031
これらのガラス繊維は、通常、ショットがない、又はショットが本質的にない、すなわちショットを5重量%未満有する。
0032
これらのガラス繊維を熱処理することは、ガラス繊維の熱抵抗性だけでなく、弾力性も向上する。これらのガラス繊維は、そのガラスの軟化点すなわち融点より約50〜100℃低い温度以下で熱処理され得る。概して、ガラスの熱処理の最低温度は約400℃であろうが、より低い温度、例えば少なくとも300℃の低温も考慮され得る。しかしながら、より低い温度は、通常、ガラス繊維の熱抵抗性及び弾力性の望ましい増加を達成するために、ガラス繊維を熱により長く暴露することを要求する。300℃から、ガラスの軟化点すなわち融点より約50℃低い温度までの間の温度では、熱処理にかかる時間は、通常、約2分〜約1時間、例えば5〜30分であろう。
0033
熱処理に採用する温度は、汚染防止装置の運転温度より高くてもよい。
0034
本明細書で言う「熱処理されたガラス繊維」とは、汚染防止装置に使用される前に熱処理されるガラス繊維である。これらの繊維は、通常、マウンティングマットとして組み立てられる前に熱処理されるが、組立工程の間あるいは後の熱処理もまた可能であり、非膨張性マットの場合は特にそうである。
0035
熱処理されたガラス繊維は、好ましくは、非晶質であるか、又は本質的に非晶質であり、すなわち結晶質が10%未満である。好ましくは、これらの繊維は、画定された直径を有する。これらの繊維は、メルトドローイングプロセスによって作製することができる。メルトブローン又はメルトスパン繊維を使用してもよい。
0036
熱処理された繊維は、少なくとも5マイクロメートルの平均直径及び0.1cm〜15cmの長さを有することができる。好ましくは、平均直径は少なくとも6マイクロメートルであり、通常、6マイクロメートル〜14マイクロメートルの範囲である好ましくは、長さは0.3cm〜7cmである。ここで使用される平均直径及び平均長さは、重量平均を指す。一実施形態において、熱処理されたガラス繊維は、少なくとも4.0マイクロメートルの直径を有する。
0037
マウンティングマット
本明細書で提供されるマウンティングマットは、排ガスの処理用汚染防止装置に汚染防止要素を実装するために好適であり、上述の熱処理された繊維を含有する。これらのマットは、上述の熱処理された繊維のマットの総重量に基づき、少なくとも5又は少なくとも10又は少なくとも30又は少なくとも50又は少なくとも75又は少なくとも80又は少なくとも90重量%の、熱処理された繊維を含むことができる。
0038
このマウンティングマットは、また、熱処理された異なる繊維の混合物を含むこともでき、これらの繊維は、化学組成、熱処理、及び/又は寸法において異なる。
0039
これらの異なる繊維は、例えば異なる層で空間的に分離されてもよく、あるいは分離されなくてもよい。
0040
熱処理された繊維に加えて、これらのマットは、これらのマットが暴露される可能性のある排ガスの温度に耐える能力のある他の繊維を含むことができる。通常、それらの繊維は、高融点セラミック繊維及び多結晶無機繊維を含む。無機繊維材料の例としては、カーボン、炭化ケイ素、ホウ素、アルミノホウケイ酸(aluminoborosilicate)、ジルコニア、チタニアなどが挙げられる。これらの無機材料を単独で、又は少なくともこれらの2つを混合した組み合わせとして、使用することができる。
0041
セラミック繊維は、ゾルゲルプロセスから得ることができる。「ゾルゲル」プロセスという用語は、溶液又は分散液の紡績又は押し出し、又は繊維若しくはその前駆体の構成成分の粘稠な濃縮物によって繊維が形成されることを意味する。したがって、ゾルゲルプロセスは、繊維の構成成分の溶解物の押し出しによって繊維が成形される溶融成形のプロセスと対照的である。好適なゾルゲルプロセスは、例えば、米国特許第3,760,049号(ボアラー(Borer)ら)に開示されているものであり、オリフィスを通して金属化合物の溶液又は分散液を押し出し成形して連続した生の(未焼成の)繊維を形成し、それを焼成してセラミック繊維を得ることによってセラミック繊維を形成することが教示されている。これらの金属化合物は、� �常、金属酸化物にか焼可能な金属化合物である。ゾルゲル形成された繊維は、しばしば、結晶質又は半結晶質であり、当該技術分野で多結晶質繊維として知られている。このゾルゲルプロセスによって繊維を形成するための金属化合物の溶液又は分散液の例としては、米国特許第3,709,706号(ソーマン(Sowman))に開示されているような、コロイダルシリカを含有する、ジルコニウムジアセテートのような酸素含有ジルコニウムの水溶液が挙げられる。追加的な例としては、塩基性酢酸アルミニウム水溶液のような水溶性又は分散性のアルミニウム化合物及びホウ素化合物の水溶液、又は、シリカのコロイダル分散液と水溶性又は分散性のアルミニウム化合物及びホウ素化合物との混合水溶液を含む2相システムが挙げられる。 ゾルゲルプロセスによって作製できるその他の代表的な高融点金属酸化物繊維としては、高融点金属、耐熱金属としては、ジルコニア、ジルコン、ジルコニア−カルシア、アルミナ、アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられる。そのような繊維は、追加的に、酸化鉄、クロミア、及び酸化コバルトのような多様な金属酸化物を含有することができる。
0042
セラミック繊維としては、ムライト、アルミナ、高アルミナのアルミノケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ジルコニア、チタニア、酸化クロムのような多結晶酸化物セラミック繊維が挙げられる。セラミック繊維は、通常、高アルミナの結晶質繊維であり、約67〜約98重量%の範囲の酸化アルミニウムと、約33〜約2重量%の範囲の酸化ケイ素を含む。これらの繊維は、例えば、3M社(ミネソタ州セントポール所在)の「ネクステル(NEXTEL)550」(登録商標)、ダイソングループPLC(英国シェフィールド所在)の「サフィル(SAFFIL)」(登録商標)、三菱化成(東京都所在)の「マフテック(MAFTEC)」(登録商標)、ユニフラックス社(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ所在)の「ファイバーマックス(FIBERMAX)」(登録� �標)、及びラス社(Rath GmbH)(ドイツ)の「アルトラ(ALTRA)」(登録商標)として市販されている。
0043
好適な多結晶酸化物セラミック繊維としては、更に、アルミノホウケイ酸塩繊維が挙げられ、このアルミノホウケイ酸塩繊維は、好ましくは、約55〜約75重量%の範囲の酸化アルミニウムと、0以上約45重量%未満(好ましくは0以上44重量%未満)の範囲の酸化ケイ素と、0以上約25重量%未満(好ましくは約1〜約5重量%)の範囲の酸化ホウ素とを含む(理論的な酸化物基準で、それぞれAl2O3、SiO2、及びB2O3として計算される)。
0044
これらのアルミノホウケイ酸塩繊維は、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、及び最も好ましくは約100重量%が結晶性(すなわち結晶質繊維)である。アルミノホウケイ酸塩繊維は、例えば3M社から「ネクステル(NEXTEL)(登録商標)」312及び「ネクステル(NEXTEL(商標))」440として市販されている。
0045
ゾルゲルプロセスによって得ることができるセラミック繊維は、通常、ショットがないか、又はショットが非常に少量であり、通常、セラミック繊維の総重量に基づき1重量%未満のショットを含有する。また、これらのセラミック繊維は、通常、1マイクロメートル〜16マイクロメートルの平均直径を有し、例えば、5マイクロメートル以上の平均直径である。好ましくは、これらのセラミック繊維には、3マイクロメートル未満の直径を有する繊維はないか、又は本質的にない。ここで言う「本質的にない」とは、そのような小径の繊維の量が、繊維の総重量の2重量%以下、好ましくは1重量%以下であることを意味する。
0046
マウンティングマットは、生体溶解性繊維を更に含有する場合がある。本明細書で使用する時、「生体溶解性繊維」は、生理学的媒質又はシミュレートした生理学的媒質内で分解性の繊維を指す。生理学的媒質は、例えば動物又は人間の肺等の気道内に典型的に見出される体液を含むが、これに限定されない。本明細書で使用する時、「耐久性」とは、生体溶解性でない繊維のことを指す。